大好きなキミのこと、ぜんぶ知りたい【完】
『―――なんで、知ってるの、』
その言葉が部屋に響いて、驚いたのは、千歳くんだけじゃなかった。
私も。
私も、自分の言葉に驚いて、それで、それまで千歳くんに温められていた身体がさーっと急速に冷えていくのを感じた。
『好きな子のことくらい分かるよ』
『…ちがう。ちがうよ、待って今のは、混乱したからなの。千歳くん。ちがう。私が好きなのは、千歳くん。千歳くんだよ』
『虹、』
笑っているのに、全然笑っていない。
千歳くんの頬のえくぼが消えて、私はあのときそれを取り戻したくて、必死で、裸のままベッドを抜け出して、千歳くんに抱きついた。
だけど、千歳くんは抱きしめ返してくれることもなく、私をやんわりと引き剥がして、それから毛布を私の身体にかけた。