大好きなキミのこと、ぜんぶ知りたい【完】
あのとき、目の奥がチカチカと点滅している感覚は、なぜか涙とは結びつかず、ただ、瞬きを繰り返して千歳くんをみていた。
千歳くんは、くっついていた身体を離して、自分のベッドから一人だけ抜け出して、静かに服を着はじめた。
それを現実に追いつけていない頭で、ぼーっとみていたら、くす、とひとつも笑ってないような冷たい笑い声が耳に届いて。
それで。
『虹が好きなのは俺じゃないよ』
あのとき、私と瞳をあわせた千歳くんは見たことないくらい傷ついた顔をしていた。
いつも優しい千歳くんではなかった。
そんな千歳くんに、私の口からは、自分でも知らないうちに、言葉が滑り落ちていたんだ。