社長はシングルファーザー
「改めて…よろしくね!あ、席どうする?副社長用に部屋用意しようか?」と社長は気遣ってくれた。

「いえ、今の席で充分です」と私は言ったのだけど。

そう甘くは無いようで。

お昼には辞令の啓示が張り出されていた。

私を副社長にするというものだ。

もちろんそれ見て、睨まれたりもしたけど。納得してくれる人もいた。

そして、私は社長から正式な発表を受け、副社長に就任した。

が、副社長室を用意したいのだが、反対されて困っている。

とか言い出すし、皆も今まで通り席に座られたら困るだろう?

とか言われた。

「いえ!困りません!頼れる人がそばにいるので安心できます!」と私を援護してくれた人がいた。

そーだ!そーだ!という声も上がり、私は今のデスクで、副社長兼任で、今までの仕事をすることになった。

その日から私は残業を増やすようになり、毎日、仕事に追われた。

もちろん、社員たちともそれなりの距離感を保って。
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