社長はシングルファーザー
社長と話してるととても楽しかった。

プライベートな話もして、息子さんのことも聞いた。

田辺圭斗君。高校2年生。

ほんとは交通事故で亡くなった、兄夫婦の子だって。

だからなのね。どうりで計算合わないと思ったわけだわ。

そしてもうひとつ、秘密を聞いた。

秘書の東条要(トウジョウカナメ)君。

彼を入れるときに、『何が出来るのか?』と聞いて、必死だった彼に

『男の俺と寝てみないかと?』社長は言って、それに乗っかって寝てみたら案外体の相性が良かったから、それで彼を気に入って秘書にしたと。

変わった返答にこだわった社長らしい決め方だった。

私も自分の話をした。プロサーファーとして夏には、海に出ていること、日本代表であること、ペアを探してることなど。

そしたら、「俺もたまに海には行くことあるんだ」と言われたので、

「じゃぁ、海で会いましょうよ!機会あれば」と私は言った。

そうだなと社長は笑ってくれた。

「長く居座ったな。ワリィ。送る」そう言って社長は立ち上がったので、私は送ってもらうことにした。

< 3 / 34 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop