綺麗に泣く
「え、これって…」
「なんでお前…」
その作品というのが、顔中体中にカラフルなペンキをつけた明を撮った写真だった。
目線が外れていて、友達と笑い合っている様子から、こっそり撮影されたものだろう。
「ギャー、恥ずかしいね!えへへ」
その作品の前で、もっと可愛く笑えばよかったとか言ってる時に、後ろから声をかけられた。
「その写真のモデルの子だよね?ごめんね、勝手に展示して。でもなんかすごくいい笑顔でさ!」
「いえ!全然!なんか照れちゃいます!」
「買取もできるんだけど、展示終わったら、また声かけるね!」
「あ、はい。ありがとうございます!」
買取もできると知って、敦さんが写っている写真は無いかと探したが、見つからなかった。
なぜ敦さんは、行かない方がいいと言ったのか。
二人はわからないまま、写真展を後にした。