夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
見た目も口も態度も悪い、他所者。
たった二ヶ月、この町の診療所に居ただけで……。特別親しくしていた訳ではない。
おまけに、恩を仇で返すような去り方をしたこんな男を……。
否定なんて出来ない、出来る筈もない。
救いようもない、愚かなワシ。
けれど……。
「……良かった。貴方を信じていたあの子の想いは、無駄じゃなかったんですね」
「……え?」
「あの子は……。ユメだけは、貴方をずっと見ていたんですよ?」
ママ先生に手を握られて、冷たくなっていた自分の手に、微かに温もりが伝わってきた。
顔を上げると、そこにあるのは「おかえりなさい」と言ってくれた時と同じの、ママ先生の優しい笑顔。
「貴方に会わせたい子がいるんです。……どうぞ、こちらへ」
こんな自分に微笑んでくれる存在に”何故?”と疑問を感じながらも、ワシは導かれるように歩みを進めた。
孤児院の廊下を歩く間、ママ先生はワシにユメの事を語ってくれた。