夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】

もうっ、やっぱりこの人嫌いッ……。
何でこんな、意地悪ばっかりするの……っ。

精神的に弱っているところに意地悪をされて、また涙がジワジワと滲んできてしまう。悔しくて涙目でキッと睨むと、その視線に気付いたアラン様が私のポケ電を私の頭にコンッと軽く打ち付けて返して来た。

「そんな顔で見るな、ブス」

「なっ……!人の物を勝手に触らないでよッ!」

もう奪われないようにポケ電をサッと両手でしっかり持つと、壊されていないか確認する。すると……。

「俺の番号を入れておいた。いつでもかけてこい」

「!ッ……はぁ?何言ってるのよ!」

アラン様の言葉に、まさか、と確認すると確かにポケ電にはアラン様の番号が追加されていた。


頼んでもいないのに信じられない!こんなのすぐ消去よ!

そう思って指を動かそうとするが、それを遮るのはアラン様の言葉。

「消すなよ。そのうち嫌でも必要になるだろうからな」

「何言ってるのよ!そんな訳ないでしょーー……ッ」

反論の言葉を途中まで言いかけて、私はハッとして辺りをキョロキョロと見渡した。
ついカッとして、口悪く怒鳴ってしまった。こんな所、絶対に大好きな彼には見られたくない。
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