夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】

「良かった!
じゃあ、また明日。……おやすみなさい」

「……はい。おやすみなさい」

就寝の挨拶を交わすと、アカリさんは振り向く事はなく部屋から出て行った。


海ーー。
『月姫の祈り』の舞台になったあの砂浜は、絵本を読んだあの日から僕にとって特別な場所だった。
でも、アカリさんと約束したら僕の中でもっともっと大切なものに変わっていく気がする。

いや。
彼女と過ごす時間は、確実に僕を変えていた。
迷路を独りでは進めない子供のように弱かった僕を、アカリさんが良い道へ、正しい道へ導いてくれているようだった。


……けど。

……
…………。
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