夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
「ア、アカリさんっ?
あ、あのっ……すみません!僕、何か変な事……言いました、か?」
彼女の予想外の反応に、こちらも戸惑いを隠せない。
オロオロしながら尋ねると、少し顔を上げたアカリさんが僕を見て、ぷっと微笑って言った。
「……ほんっと、ずるい」
「え?」
「そうやって、いつも無自覚に……。
あ〜あ、本当に……もう、マオさんは……」
「っ……」
彼女の潤んだ瞳に魅せられて、胸がトクンッと優しい音を立てて、何だかこちらまで泣きたくなる。
上手く言葉が出てこなくてただ見つめていると、アカリさんはソファーから立ち上がり、扉の方へ向かって歩いて行く。
帰ってしまうーー?
「っ……あ、あの!アカリさ……」
「ーー明日。
明日、私に付き合ってくれませんか?」
呼び止めようとした僕に、彼女が言葉を重ねて尋ねた。
「一緒に、海に行きたいんです。……ダメですか?」
「……。
駄目じゃ、ないです」
"一緒に海に行きたい"。
何だかそれが、すごく特別な言葉に聴こえて……。背を向けたままのアカリさんの質問に、僕は答えた。