夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
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…………。

街に出ると、世間はクリスマスイブという事もあって賑やかだった。
家族や恋人、おそらくこれから誰かと待ち合わせをしているであろう人達。その表情は、みんな幸せそう。

そうだよね。
今日は私にとって大切な日だけじゃなくて、この世に生きている全ての人達にとっても特別な日。
そんな、世界中を笑顔にするこの日に生まれて来た彼は、まるでサンタクロースのように夢の配達人としてたくさんの人々に夢を贈り続けた。


神様、もういいよね?
私が彼を幸せにしてもいいでしょう?

私は結婚指輪をはめている左手で、首のネックレスチェーンにかかっているもう一つの彼の指輪を握り締めながら天を仰いだ。

"Everything is special if you are with you"
あなたと一緒にいるのならば、全てが特別です

手作りの指輪の内側に彫られていたメッセージ。
彼が私を選んでくれるのならば、もう決して離れたりしない。
早く逢いたい。彼に、逢わせてーー……。


時間が経つのが、酷く長く感じた。
でも、辛くてもこの待つ時間は無駄なんかじゃない。
「お待たせ」「ただいま」
彼がそう言ってくれたら、きっとこの時間でさえ愛おしいものに変わるから……。
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