ばすけ。


「はぁ?」

確かに居た。
怒りがふつふつと沸く。
友達となら来れるんだと
認められていないことに
対して怒りが込み上げる。

「まぢきめぇ!」

大声で思わず叫ぶ。
呑気に笑うアイツが
ムカついた。

「も…やだ」

泣きそうになる。
天が心配そうに見つめる。

「腹立つからやけ食いする」

開き直ったように
いろいろと買う。
もちろん天に心配を
かけたくないから。
せっかく来たのに
台無しにするのは嫌だから。


「じゃぁね~」

あれからものすごい量を
食べたため体が重たい。
家に着くと誰もいない。

「またパチンコか」

いつものことだから
あまり気にしない。

~♪

携帯が鳴る。

『今日はごめん』

晶からのメール。

『いたね』

『うん』

『別れよう』

賭けてみた。

~♪

『由夜がいいなら…』

『何で?好きじゃないの?』

『好きだけど』

『…そんなんウチも
 なんだよ?』

『ごめん…今度は
 ちゃんとする』

本当か嘘かわからなくて
泣きながらメールをした。

『わかった…じゃぁ今日は
 もう終わるね』

『うん。ごめんな』

苦しくて切なくて
好きだけど信じることが
出来なくて…

いつの間にかはさみを
手にしていた。

左腕にはさみの刃をあてる。
スッと横にひく。
少しずつ血が出てくる。
傷全体に赤い血が
広がっていく。


生まれて初めての
リストカットだった。



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