ばすけ。
「飽きたぁ」
口々に漏れるため息。
ウチだって出したい。
みんなが手を止める。
「ちゃんとやれば?」
いずなが言う。
「はーい…」
ウチは口を開かずに黙々と行う。
今日は2人が休みで7人での
ハンドリング。
いつもいた由奈先輩も
最近部活に来ていない。
「~でさぁっ♪」
隣はハンドリングもしないで
随分話に花を
咲かせているようだ。
―どうせ関係ないからいいや。
避けていた。面倒なことは必ず。
これがウチだった。
自分に関わりがないのなら
放っておくのが一番だと
小学校の時に学んでいる。
先輩たちが休憩中に
福田先生がシュート練習を
教えてくれる。
なかなか難しいが
楽しく行なっていた。
―早くバスケしたいなぁ…
そう思い始めていた。
ハンドリングは本当に飽きたし、
すると言っても
ドリブル練習やパス練習、
外ランニングぐらいだった。
正直言って楽しくはなかった。
たまにやる
シュート練習だけが
バスケらしくて
楽しいものだった。
外ランニングも足が
遅いため全然駄目。
こんなんでバスケ出来るのか
と不安になった時も
多々あった。