いじわるな藍川くんの愛が足りない
そんなこと言うなら、明日先生にでも案内してもらえば!?
そう叫んで彼を放ってここから去る勇気なんて、わたしにはなかった。
むしろ、逆だった。
だったらうざいくらいに詳しく説明してやろうじゃん。
「ここはパソコン室。昼休みと放課後は自由に使える。自分のログインパスワードはまた先生に聞いて。勉強のためとか、資料とか閲覧したいときに使用するんであって、個人的な使用は禁止。どこもそうだけど飲食も禁止。終わったら必ずシャットダウンすること...それくらいかな」
「ふうん」
彼は小さく笑った。
きっと、わたしがむきになったことに笑ってるんだ。
しかも、ふうん。って。
でも、ここからまた“場所だけ伝える案内”に戻るわけにはいかない。
だからわたしはこのあとも自分が持っている知識はできるだけ仕方なく伝えた。