いじわるな藍川くんの愛が足りない


『ねえ詩織、お願い!』


舞の気持ちはすごくわかる。


やっぱりクラスで一番仲いい友達が隣にいてくれたほうがいいもんね。


「うん、いいよ!今からカラオケ向かう」


『ありがとう詩織~!!』


藍川くんがいるなんて、関係ない。


話さなければいいことだ。


それに、彼はみんなの前では愛想いいし。


でも、無理して愛想よくしてるかんじでもなさそう。


どっちもほんとの彼なのだろう。


ただわたしの前では性悪な部分が出るだけで。


...ってそんなのまったく特別感ないけどね!?うれしくないけどね!?


わたしは思い浮かべてしまった彼の顔を首を振って思い切り消した。


順番に歌を入れていく。


比較的騒がしい人たちが集まってるから、

ふつうに楽しい。


藍川くんの歌声はかなり良いものだった。


遠目で見ながら、かっこいい...なんて思ってしまった。


舞はちゃっかり松本くんの隣をキープ。


わたしはいうと赤木くんの隣に積極的に向かうことなく、一番端に座ってる。


赤木くんもモテるし、この中のだれかとそのうち付き合うんだろうな。


そんなことを考えた。

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