冷たい指切り ~窓越しの思い~
「お姉ちゃんに挨拶するのって、そんなに嫌?
別にお父さんのことは、話さないよ。
ただ、家出のことは……話させてもらうけどね。
心配しないくていいように、何処にいるか伝えようと思ったんだけど……。」
悪いようにするつもりなんてないし、嫌がることもしないんだけどな。
「嫌って言うか………
前にもお話ししましたけど……ウチの姉は家族が大切で
自分を犠牲にしてでも守ろうとする人なんです。
だから先生が行くと……
『彼氏じゃない』っていうのを信じなくて…………
『妹を騙して付き合う悪い教師』って大騒ぎしそうなんです。
あんなに相談にのってもらって…………先生に迷惑をかけたくないし
お姉ちゃんにも………先生に対して、悪いイメージをもって欲しくないから………
会わせたくないんです。」
「自分で『彼氏の所に行く』ってウソをついたのに??」
「だって、メモを見せる訳にはいかないから。
それに………先生を待たせていたし、時間もなくて…………
あれしか思い浮かばなかったんだもん。」
まぁ、急に連れ出したから考える時間がないのは確かだけど。
「だから、挨拶と説明は諦めたでしょう?
ところで、部屋は使う?
家出は止めたけど……お家は落ちついてないから
部屋はあった方がいいでしょ?
それに………行きたい大学もまだ決めてないよね?
県外の大学に、行きたい学部があるならいいけど……
家族と離れたい一心で決めてしまうと、後悔するよ。
それよりも、『部屋はあるから』ってゆとりをもって……
地元も県外もどっちも視野に入れて………
行きたい大学を選んだ方が良いと思う。
この間は、そんな事を考えて樹のムチャな『部屋を使う』という
提案をのんだのに……アッサリ『部屋を使わない』っていうから……
頭にきて……あんな言い方をしました。
冷たく聞こえたら………………ごめん。」
プッ!
「ごめんなさい。
でも…………先生が可愛いくて。
不本意な謝り方が、ツボに入っちゃいました。
冷たく聞こえたのは………
私の事を色々考えて、心配してもらったからなんですね。
怒られてたんだぁ
私は、呆れられたんだって思ってたから………
先生に見捨てられるのが………怖くて会えなかった。
先生に嫌われたら………もう行き場がない気がして…………。
…………………怖かった。
大学は………ゆっくり考えます。
お部屋は………甘えていいなら…………。」
可愛いって……………。
でも……まぁ、彼女の気持ちが分かったから良かった。
見捨てられるくらいなら、怒られた方がいいって………
多分、お父さんの愛情を俺に求めてるんだろうなぁ。
もしかしたら元々は、親子仲良かったのかも。
女の人に対する嫉妬やいい子の姉ちゃんへのヤキモチも………
彼女の気持ちを、複雑にしているのかもしれない。
別にお父さんのことは、話さないよ。
ただ、家出のことは……話させてもらうけどね。
心配しないくていいように、何処にいるか伝えようと思ったんだけど……。」
悪いようにするつもりなんてないし、嫌がることもしないんだけどな。
「嫌って言うか………
前にもお話ししましたけど……ウチの姉は家族が大切で
自分を犠牲にしてでも守ろうとする人なんです。
だから先生が行くと……
『彼氏じゃない』っていうのを信じなくて…………
『妹を騙して付き合う悪い教師』って大騒ぎしそうなんです。
あんなに相談にのってもらって…………先生に迷惑をかけたくないし
お姉ちゃんにも………先生に対して、悪いイメージをもって欲しくないから………
会わせたくないんです。」
「自分で『彼氏の所に行く』ってウソをついたのに??」
「だって、メモを見せる訳にはいかないから。
それに………先生を待たせていたし、時間もなくて…………
あれしか思い浮かばなかったんだもん。」
まぁ、急に連れ出したから考える時間がないのは確かだけど。
「だから、挨拶と説明は諦めたでしょう?
ところで、部屋は使う?
家出は止めたけど……お家は落ちついてないから
部屋はあった方がいいでしょ?
それに………行きたい大学もまだ決めてないよね?
県外の大学に、行きたい学部があるならいいけど……
家族と離れたい一心で決めてしまうと、後悔するよ。
それよりも、『部屋はあるから』ってゆとりをもって……
地元も県外もどっちも視野に入れて………
行きたい大学を選んだ方が良いと思う。
この間は、そんな事を考えて樹のムチャな『部屋を使う』という
提案をのんだのに……アッサリ『部屋を使わない』っていうから……
頭にきて……あんな言い方をしました。
冷たく聞こえたら………………ごめん。」
プッ!
「ごめんなさい。
でも…………先生が可愛いくて。
不本意な謝り方が、ツボに入っちゃいました。
冷たく聞こえたのは………
私の事を色々考えて、心配してもらったからなんですね。
怒られてたんだぁ
私は、呆れられたんだって思ってたから………
先生に見捨てられるのが………怖くて会えなかった。
先生に嫌われたら………もう行き場がない気がして…………。
…………………怖かった。
大学は………ゆっくり考えます。
お部屋は………甘えていいなら…………。」
可愛いって……………。
でも……まぁ、彼女の気持ちが分かったから良かった。
見捨てられるくらいなら、怒られた方がいいって………
多分、お父さんの愛情を俺に求めてるんだろうなぁ。
もしかしたら元々は、親子仲良かったのかも。
女の人に対する嫉妬やいい子の姉ちゃんへのヤキモチも………
彼女の気持ちを、複雑にしているのかもしれない。