愛育同居~エリート社長は年下妻を独占欲で染め上げたい~
けれども、定時で退社して急いで帰宅しても、調理時間が一時間ほどしかなく、食料品店に寄って買い物をしている暇はなさそうである。

今、冷蔵庫に入っている食材では、ありきたりな家庭料理しか作れない。

いつもの和食の献立でいいようなことがメールに書かれていたけど、お客さんに対して失礼にならないかな……。


数分悩んだ結果、ごく普通の家庭料理でも品数を多くして、旅館のお膳のように並べれば、それなりに豪華に見えるだろうと結論を出した。

それから仕事の手を休めて、メモ用紙にお品書きを作成する。

すると、急に周囲がざわついた。


何事かと辺りを見回せば、この部屋の最奥にある机から部長が立ち上がり、急ぎ足でドアへと向かっている。

その姿を目で追うようにしてドアの前を見れば、そこには本日二度目の訪室となる桐島さんがいて、見たことのない美しい女性を隣に伴っていた。


もしかして、メールにあった来客とは、あの女性なのだろうか……。


オリーブグリーンのスカートスーツを素敵に着こなす女性は、肩下までのブロンドの髪に白い肌、青い瞳をしている。

外国人の年齢は推測しにくいが、たぶん三十歳前後なのではないかと思われた。

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