愛育同居~エリート社長は年下妻を独占欲で染め上げたい~
これは新商品の試作品で、開発部の社員からのいただきものである。

しばしば試食や差し入れがあり、チョコ好きの私には嬉しい職場環境だ。


チョコの甘さに顔を綻ばせたら、机上でスマホが短く震えた。

それは帰宅時間を知らせる桐島さんからのメールだと思われるが、届くのがいつもより少し早い。

開いて読めば、十九時半頃の帰宅だという、これまたいつもより早いスケジュールが記されていた。


その理由は、【来客をひとり伴って帰ります】ということにあるらしい。

【我が家の夕食に招待しようと思うので、すまないが、ひとり分多めの調理をお願いします。メニューはいつも通りの和食で】と書かれていた。


目を瞬かせた私は、取りあえず了解の返事をしてから、考えに沈む。

来客とは、仕事関係者だろうか?

紫陽花荘は、今は桐島さんの持ち家なので、お客さんを呼ぶことは彼の自由であり、反対する気持ちは少しもない。

むしろ、久しぶりの来客に心が弾み、楽しみに思っていた。
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