愛育同居~エリート社長は年下妻を独占欲で染め上げたい~
ハッとして、緊張が走る。
そのせいで、おたまを手に持ったまま「お帰りなさい」と廊下に出れば、玄関の上り口に立つ桐島さんが「ただいま」と微笑み、隣の彼女は「オジャマシマス」とイントネーションの少々おかしな日本語で挨拶してくれた。
「ようこそお越しくださいました……」
大丈夫、声は震えていないし、笑顔も作れる。
桐島さんのお客様なのだから、精一杯もてなさなければ……。
ふたりは私の前で足を止め、桐島さんが改めて彼女を紹介してくれる。
「エマだよ。容器包装デザイン部の部長が言った通り、ベルギー社で取締役の職についている。だけど今は、気にせずに話してほしい。とは言っても、エマは日本語がわからないんだ。英語なら話せるが……有紀ちゃんは?」
母国語と英語、少なくとも二か国語を操れるエマさんに対し、私は日本語しか話せない。
私たちが共通に理解できる言語は、ないようである。
それを伝えて「すみません……」と眉尻を下げれば、「謝らないで」と言った桐島さんが、少し慌てたようにフォローの言葉を付け足した。
「私が通訳に入れば済む話だ。なにも問題はない。やあ、いい香りがするね。醤油や出汁の香りは食欲を誘う。突然の夕食の話に対応してくれてありがとう」
そのせいで、おたまを手に持ったまま「お帰りなさい」と廊下に出れば、玄関の上り口に立つ桐島さんが「ただいま」と微笑み、隣の彼女は「オジャマシマス」とイントネーションの少々おかしな日本語で挨拶してくれた。
「ようこそお越しくださいました……」
大丈夫、声は震えていないし、笑顔も作れる。
桐島さんのお客様なのだから、精一杯もてなさなければ……。
ふたりは私の前で足を止め、桐島さんが改めて彼女を紹介してくれる。
「エマだよ。容器包装デザイン部の部長が言った通り、ベルギー社で取締役の職についている。だけど今は、気にせずに話してほしい。とは言っても、エマは日本語がわからないんだ。英語なら話せるが……有紀ちゃんは?」
母国語と英語、少なくとも二か国語を操れるエマさんに対し、私は日本語しか話せない。
私たちが共通に理解できる言語は、ないようである。
それを伝えて「すみません……」と眉尻を下げれば、「謝らないで」と言った桐島さんが、少し慌てたようにフォローの言葉を付け足した。
「私が通訳に入れば済む話だ。なにも問題はない。やあ、いい香りがするね。醤油や出汁の香りは食欲を誘う。突然の夕食の話に対応してくれてありがとう」