愛育同居~エリート社長は年下妻を独占欲で染め上げたい~
七月に入り、暑さは厳しさを増す。
蝉の声が聞こえる裏庭の紫陽花は、赤紫、紫、水色とグラデーションをつけて、今が盛りと咲き誇っている。
ビルの隙間から差し込む朝日に照らされた裏庭で、私は紫陽花の枝に鋏を入れている。
三色の紫陽花の花を切り、ガラスの花瓶に入れて仏壇に供えた。
おばあちゃん、今年も綺麗に咲いたよ。
嬉しいね……。
今日は金曜日で、出社のために家を出る時間には、まだ一時間ほどの余裕がある。
桐島さんは三日前からベルギー社に出張中で、明日まで帰らない。
自分ひとりのために手の込んだ朝食を作る気にはなれず、サッとお茶漬けで済ませたため、出勤前の時間を持て余していた。
それで、掃除機やモップに布巾などの掃除道具を携えて、二階へ上がる。
桐島さんの部屋に出入りする許可は得ているので、躊躇なく南東の角部屋に入り、掃除を始めた。
いつものことながら無駄な物が一切ない、スッキリと片付いた部屋は、丸い座卓と窓ガラスを拭いて、掃除機をかければすぐに掃除は終わる。
そこを出て、次は廊下を挟んだ向かいの六畳間のドアを開けた。
すると、そこはまるで、観光地の土産屋のよう……。