愛育同居~エリート社長は年下妻を独占欲で染め上げたい~

翌日は土曜日。

昨夜、出張中の桐島さんから今日の十六時頃に紫陽花荘に帰るとの連絡を受け、ソワソワと落ち着かない時間を過ごしていた。


まだ十二時を過ぎたばかりだけど、早く会いたい……。


たった五日離れていただけなのに、彼の不在を強く感じて寂しさを覚える。

それを紛らわすために、あちこち掃除をした結果、年末の大掃除のように家中がピカピカに磨き上げられた。


桐島さんのことばかり考えていると、うっかりミスも起きる。

早くも夕食の下ごしらえを始めようと台所に入った私は、流し台の籠の洗い終えた食器を見て、目を瞬かせた。


あれ、私、昨日のお弁当箱をどうしたかな……。


洗った記憶がなく、通勤バッグの中に入れっぱなしにしていたかと急いで玄関へ行く。

ふたり暮らしにしては大き過ぎる木目の靴箱の横に、無地のショルダーバッグが置いてある。

その中を探ったが、お弁当箱は見当たらず、会社に忘れてきたのだと気づいた。


どうしよう。月曜日までそのままにしておけば、臭くなって洗うのが嫌になりそう……。


迷った結果、今から取りに行くことにする。

簡単な化粧をして、ショルダーバッグを持った私は、玄関の引き戸を開けて蒸し暑い夏空の下に出ていった。
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