愛育同居~エリート社長は年下妻を独占欲で染め上げたい~
「随分と堅苦しいことを言うね。五日会わないうちに、恋人の顔を忘れてしまった? それなら帰ってから、ふたりの時間をたっぷり取らないとな。有紀子の瞳に俺を焼き付けることにしよう」

「き、桐島さん……」


ウインク付きで照れくさいことを言われても、今ばかりは頬を熱くすることはできず、ハラハラと店員たちの様子を気にするのみ。

けれども、そればかりに気持ちを向けてもいられない。

桐島さんが「こんにちは。有紀子の友達ですか? いつも仲良くしてくれてありがとう」と亜美ちゃんに声をかけたからだ。

慌てるあまり、彼女の存在を忘れそうになっていた私は、ハッとして「亜美ちゃん、ごめんね!」と謝った。

すると、彼女が浮かない顔をして、「そんなの、ずるい……」と呟く。


「彼氏がいないふりして、実は社長と付き合っているなんて……。梶原先輩を自慢したり、恋愛指南した私が馬鹿みたいじゃない」


交際相手がいないふりはしていないと、否定しようとしたが、その前に不愉快そうに眉を寄せる彼女が席を立ってしまう。
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