愛育同居~エリート社長は年下妻を独占欲で染め上げたい~
テーブルの端に置かれた伝票に、彼女の手が伸ばされたが、桐島さんが先にそれを掴んだ。

「ここは私が支払います」と言った彼は、亜美ちゃんと向かい合い、真面目な顔で私の弁護を始める。


「状況がよくわからないのですが、あなたに失礼があったのなら謝ります。申し訳ない。有紀子とは今後も友達でいてほしい。謙虚で一生懸命。自分のことより誰かのためにと考える、心の清らかな女性なんです」


灰青色の瞳にじっと見つめられた亜美ちゃんは、薄っすらと頬を赤らめる。

それからばつが悪そうな顔をして視線を逸らし、「有紀がいい子なのは、高校の時から知ってます……」と呟くと、桐島さんに会釈して、逃げるように店外へ出ていった。


私は座ったまま彼女の後ろ姿を見送って、後で電話して謝らなくてはと考えていたが、連絡先を交換する前に別れてしまったことに気づいた。

また、どこかで偶然に会えるだろうか?

その時は、私から声をかけたい……。


「さて」と低い声を聞いて視線を戻せば、桐島さんが向かいの椅子に座っていた。

指を組み合わせた両手をテーブルに置き、私に笑顔を向けている。

しかし、その笑みにはいつもの自然な優しさはなく、作りもののような雰囲気を感じた。

怒っているの……?

私の中に緊張が走ったら、彼は問い詰めるような口調で話しだす。


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