愛育同居~エリート社長は年下妻を独占欲で染め上げたい~
すぐ横にある自動販売機が、ブーンと唸り声をあげているが、それよりも私たちの奏でる水音が大きく聞こえる。


こんなに激しいキスを、こんな私が喜んで受け入れているなんて……。


彼に手を引かれるようにして、私は一歩、大人の階段を上がることができた気がしていた。



大人のキスをした二日後の月曜日。

私は午前中を、落ち着かない気持ちで過ごしている。

自分のデスクでノートパソコンに向かい、新作パッケージのデザイン画を編集していると、後ろから「小川さん」と声をかけられた。

「キャッ!」と声をあげ、大袈裟なほどに肩をビクつかせて振り向けば、そこに立っている田ノ上課長を逆に驚かせてしまった。

手に持っているファイルを落としそうになり慌てている課長が、「どうした!?」と私に問いかける。


「いえ、あの、なんでもないんです。すみません!」


気にしているのは、私と桐島さんの交際の噂が広まっていないか、ということだ。

一昨日、彼は、話を聞かれてしまった直営店の店員に口止めしておくと言ってくれたけど、それはお願いであって命令ではない。
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