愛育同居~エリート社長は年下妻を独占欲で染め上げたい~
すぐ横に、私の体に片腕を回しかけるような体勢で、桐島さんが横を向いて寝ている。

裸の彼の逞しい筋肉美が眩しすぎて、目に毒である。

恥ずかしがり屋が性分の私なので、何度この部屋で目覚めても慣れることはなく、今朝も新鮮な気持ちで照れてしまった。

私の体には、彼の浴衣がかけられている。

その下は私も一糸纏わぬ姿のため、昨夜脱がされた下着とパジャマを、彼が目覚めぬうちに着てしまおうと考えた。


起こさないように気をつけて、私の腰に回されている彼の腕を解くと、起き上がって浴衣を彼の体にそっとかける。

私のパジャマは……と探したら、彼の肩の向こう側、布団から外れた畳の上に、下着と共に丸められるようにして置かれていた。

布団に膝立ちした私は、パジャマを取ろうとする。

規則正しい寝息を立てている桐島さんの、頭を跨ぐようにして、四つん這いの姿勢で片手を伸ばしたら……「いい眺めだ」と、急に彼の声がした。

起こしてしまった申し訳なさよりも今は、裸の胸を下から至近距離で見られていることに強い羞恥を感じ、「キャア!」と悲鳴をあげた。

慌てる私は彼にかけてあげたばかりの浴衣を奪い取ってしまい、膝立ちの姿勢で急いで袖を通し、自分の体を隠した。


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