愛育同居~エリート社長は年下妻を独占欲で染め上げたい~
こういう式典やレセプションパーティーには、夫婦で出席するものだと聞いたことがある。

未婚の人は、恋人を同伴してもいいらしい。

同伴者が必要であるのなら、桐島さんはどうして私に声をかけてくれなかったのだろうと、不安に心が揺れだした。

衝撃的な社内報の写真を見つめながら、頭の中には『どうして』という懐疑的な疑問ばかりが渦を巻く。


どうして、私ではない女性を伴うの?

どうして、一時帰国を知らせてくれなかったの?

東京にいたのに、どうして会いに来てくれないの?


鼓動が嫌な音で鳴り立てていた。

苦しくなり、着ているブラウスの胸元を強く握りしめる。


私のこと、どうでもよくなっちゃったのかな……。

考えるのも悲しい推測が、毒霧のように頭の中に広がって、彼を信じる心を蝕もうとしていた。


翌朝、七時。

桐島さんに捨てられた気がして、一晩を泣き明かした。

朝になって涙は枯れ果て、布団から這い出た私は、重たい足取りで洗面所に向かう。

顔を洗って鏡を見れば、赤い目の周囲は腫れて、顔全体もむくんでいる。

今日が土曜日でよかったと、息をついた。

こんなひどい顔では、出社できないもの……。
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