愛育同居~エリート社長は年下妻を独占欲で染め上げたい~
瞳を細めて「困りごとはない?」と優しく聞いてくれる彼に、胸が高鳴った。


「はい、ありません。先ほど、発注していたイラストが納品されたので、早速デザインしているところです」


頷いた彼は少し腰を落として机の縁に片手をつくと、私のパソコン画面を覗き込む。

そうすると、わずか拳ふたつ分ほどの近距離で、彼の横顔を見ることになった。


こんなに接近されたら、速い鼓動に気づかれてしまいそうで、困る……。


最近の私はどうもおかしい。

桐島さんがこうして私に会いに来てくれると、心に花が咲いたように嬉しくなり、会話をすれば胸が高鳴る。


「順調そうだね。短期間でよくここまで成長してくれた。有紀ちゃんは何事にも一生懸命で素敵だ」


そう言って褒めてくれた桐島さんは、姿勢を戻してから私の頭を撫でた。

彼に頭を撫でられることは日常的であったはずなのに、今は勝手に顔が熱くなり、喜びと気恥ずかしさで心の中は大忙しだ。

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