愛育同居~エリート社長は年下妻を独占欲で染め上げたい~
これは、もしかして……。


私は桐島さんに恋をしているのだろうかと、最近、幾度となく考える。

けれども、まだはっきり恋と言えるほど惹かれてはいないと、今も自分の心に言い聞かせていた。


三十四歳の彼からしたら、ひと回り年下の私は随分と子供に見えることだろう。

恋愛対象にしてくれるはずがないと思い、これ以上、気持ちが流されないように踏ん張っていた。

私が恋心を抱いて、もしそれを知られてしまったら、きっと桐島さんを困らせる……それが嫌だという気持ちもあった。


そんな私の気持ちに気付かない様子の彼は、パソコン画面を見ながら「この他にも二点、パッケージングを担当しているのか。多すぎるな……無理してない?」と心配してくれる。

ハッとした私は心の中に咲いた花から気持ちを離すと、慌てて「無理してないです!」と語気を強めて返事をした。


「他の皆さんの方が仕事量が多いです。私はこれくらいしか引き受けられなくて、申し訳ないと……。あ、楽しいんですよ。もっとやりたいと思うほどに。本当です!」

< 98 / 258 >

この作品をシェア

pagetop