つなげば星座になるように
*★*―――*★*
「よろこべ、部員。我がサークルのミニコン(ミニコンサート)に、王子がピアノ伴奏で出演してくれることになった」
ささみん先輩の隣に、ものすごく不満そうな王子が立っている。
「グッジョぶッ!ささみん!」
「俺は今まで(無駄なので)君に意見をしたことはないけど、これはイイ判断だ!」
男子2名は、女子部員激増の期待に目の色が変わっている。
「心配顔の野上さん。大丈夫だ。王子には“痛(イタ)発言に気付かせて貰った”という貸しがある。拒否権はない」
「うるさいな!」
「言葉を慎んだほうがいいぞ?王子。ファンが減る。そして、合唱部にも拒否権はない」
「……」
合唱部が一体どんな弱みを、ささみん先輩に握られているのか、気の毒すぎて訊けない。
ミレニアムホールでミニコンの打ち合わせと練習があるからと言われた時、
なんで4人しかいないのに、ホールで練習なのかな?
…って、不思議に思ってたんだけど、
その理由がようやく分かった。
とにかく、企画の規模が大きくなっていることに驚く。
吹奏楽部までいる。
王子とは、あれから話をしていない。
避けているわけじゃないけれど、正直、王子を恋愛の対象としてみたことがなかったので、
どういう反応をしていいのか、恋愛初心者の私には、まるでわからない。
結局、グループワークでも、他のメンバーとの会話に終始してしまった。
でも、いつまでも知らんふりという訳にはいかないし…
――本当に、どおしよう…
そうこうしているうちに、ささみん先輩から、歌葉部が考えたミニコンの企画書が配布され、説明が始まる。
「言葉を“音”として捉えることにこだわっている我が部としては、そもそも“歌”自体、 “言葉”と“音楽”の部分として理解する必要がある。“言葉”と“音楽”の境界とは…」
「……え?」
一体何が始まったのかと、
残りの部員全員で、配られたA4の紙を見てみると、
“研究テーマ、背景、その研究意義、目的、対象と方法……”
「…コレ…、なんの研究計画書…??」
ささみん先輩の演説は止まらない。
「したがって、“歌”を歌うという行為をコミュニケーション形態のひとつとして捉え、言葉を音楽、つまりメロディーにのせてだな、その聴取印象と言葉の意味を…」
「「「わあああああ~~~っ!!」」」
まずい!みなさん、ひいていらっしゃる!
これです!
ささみん先輩っ!
これが、新入部員が入ってこない原因ですよっ!!
「よろこべ、部員。我がサークルのミニコン(ミニコンサート)に、王子がピアノ伴奏で出演してくれることになった」
ささみん先輩の隣に、ものすごく不満そうな王子が立っている。
「グッジョぶッ!ささみん!」
「俺は今まで(無駄なので)君に意見をしたことはないけど、これはイイ判断だ!」
男子2名は、女子部員激増の期待に目の色が変わっている。
「心配顔の野上さん。大丈夫だ。王子には“痛(イタ)発言に気付かせて貰った”という貸しがある。拒否権はない」
「うるさいな!」
「言葉を慎んだほうがいいぞ?王子。ファンが減る。そして、合唱部にも拒否権はない」
「……」
合唱部が一体どんな弱みを、ささみん先輩に握られているのか、気の毒すぎて訊けない。
ミレニアムホールでミニコンの打ち合わせと練習があるからと言われた時、
なんで4人しかいないのに、ホールで練習なのかな?
…って、不思議に思ってたんだけど、
その理由がようやく分かった。
とにかく、企画の規模が大きくなっていることに驚く。
吹奏楽部までいる。
王子とは、あれから話をしていない。
避けているわけじゃないけれど、正直、王子を恋愛の対象としてみたことがなかったので、
どういう反応をしていいのか、恋愛初心者の私には、まるでわからない。
結局、グループワークでも、他のメンバーとの会話に終始してしまった。
でも、いつまでも知らんふりという訳にはいかないし…
――本当に、どおしよう…
そうこうしているうちに、ささみん先輩から、歌葉部が考えたミニコンの企画書が配布され、説明が始まる。
「言葉を“音”として捉えることにこだわっている我が部としては、そもそも“歌”自体、 “言葉”と“音楽”の部分として理解する必要がある。“言葉”と“音楽”の境界とは…」
「……え?」
一体何が始まったのかと、
残りの部員全員で、配られたA4の紙を見てみると、
“研究テーマ、背景、その研究意義、目的、対象と方法……”
「…コレ…、なんの研究計画書…??」
ささみん先輩の演説は止まらない。
「したがって、“歌”を歌うという行為をコミュニケーション形態のひとつとして捉え、言葉を音楽、つまりメロディーにのせてだな、その聴取印象と言葉の意味を…」
「「「わあああああ~~~っ!!」」」
まずい!みなさん、ひいていらっしゃる!
これです!
ささみん先輩っ!
これが、新入部員が入ってこない原因ですよっ!!