つなげば星座になるように
*★*―――*★*


その夜、ベッドに横になると、久しぶりに眠気に襲われた。

リハーサルとかいろいろあって疲れたってのもあるけれど、


「王子と話せてよかったぁ…」


その安堵感が大きい。

普通に話せたかというと、なかなか難しかったけれど、

気まずいまま、話さないでいた時のほうが、もっと、ずっと辛かった。

言葉を交わせて、うれしかった。


――あ、そっか…


私は、ささみん先輩みたいに頭がいいわけじゃないし、むずかしい事はよくわからないけれど、

仕草だけでも、

触れるだけでも、

獣のように鳴くだけでも、想いは相手に伝わるけれど、

人はそれだけじゃダメだったんだろうな…って、思った。


ちゃんと、知って欲しくって、自分の気持ちをわかって欲しくって、

言葉はできたのかな…って。

…さみしがりだから、人は…


瞳を閉じる。

耳に、王子の弾いたピアノの音…が残ってる。

その音に、母音と子音の色を付けて、意味を乗せる。

言葉にしてみる。

でも、それは、あくまで私のイメージ。

王子のものじゃない。


「言葉にして…、伝えてくれたんだよね…王子は」


ちゃんと、考えなくちゃ。

どんな想いを、

言葉を、

私は彼に伝えたいんだろう……
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