つなげば星座になるように
*★*―――*★*

当日の人の多さに、かなり緊張している私をよそに、


「よ~し!テンションあがってきたぁ!」

「「「っしゃああ~!!」」」


ささみん先輩をはじめ、場慣れしてる合唱部や吹奏楽部の皆さんってば、なんて頼もしいんだろう。

だって、教授とか講師の先生とかもけっこう来てる。

キャアキャアと騒いでいる女の子達の視線の先には、タキシード姿の王子。

さすがというか、なんというか…

呆れるくらい似合っている。

王子と進行役のささみん先輩以外は、衣装は特に統一しないで、上は白っぽく、下はそれより濃い色とだけ決めてあった。

私はウエストで切り替えの入った、バイカラーのワンピース。

王子は私を見つけると、耳元で、


「カワイイね」


と、囁く。

王子ってば、自分で言っておいて少し照れるもんだから、私も真っ赤になってしまった。

王子の出番は最後だけだから、それまで、ずーっと見られてるってことなのかな?

うわぁ…、余計、緊張してきちゃった。


「そこ、イチャイチャしない」


平常運転のささみん先輩が、わざと私と王子の間を通って、ステージに立つ。


ハンドベルの音が鳴る。

定刻だ。

演奏が始まる。


まずは、吹奏楽部のキラキラ星変奏曲、金管8重奏から。

そこに、合唱部が歌を重ねる。

続くバリエーション。

あとは、もうあっという間の30分間だった。

湧き上がる拍手の後、ささみん先輩が、再び舞台の中央に立つ。
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