残念系お嬢様の日常
私も女子のはずなんだけど、女子トークに全くついていけない。
雨宮本人が聞いているのを知らない女子たちの会話がヒートアップしていく。
「そうよね。本命なら天花寺様か桐生様よね」
「雨宮様はちょっと、ねぇ」
居た堪れなくなって雨宮を見ると、普段と変わらない微笑みを浮かべながら人差し指を口元に持っていく。
自分のことを言われていても、行動を起こす気はないみたいだ。
「三男ですものね。本命だったら、他のお二人の方がいいわ」
「それに雨宮様は誰にも本気にならなさそうよね」
「わかりますわ。なにを考えているのかわからないわよねぇ。でも遊んでおくなら雨宮様にお相手してもらいたいわ〜」
「あら、雨宮様なら迫ればお相手してくれるんじゃないかしら」
この会話を聞いていると胃のあたりがもやもやとしてくる。
なにこの馬鹿みたいな下品な会話。