残念系お嬢様の日常

原作通りには進まない



三階まで上がると、そこはもう屋上だった。


「ぅおあ!?」

鉛色のドアを開けると突如聴こえてきた破裂音に慄き、身構える私の目の前にカラフルな紙切れが広がり、見覚えのある人たちが出迎えてくれた。



「真莉亜! おめでとう!!」

スミレの言葉の後に浅海さんと瞳、流音様が「おめでとう」続いた。

彼女達の後ろに立っている天花寺と桐生、蒼が拍手をくれているのを見て、わけがわからず立ち尽く。

そんな私の後ろで雨宮が状況を説明してくれる。


「明日誕生日って聞いたからサプライズだって」

「え……もしかして私のお祝いをするために集まってくれたの?」

声が微かに震えて、唇の隙間からか細い息が漏れる。

嫌われ者の原作どおりの真莉亜にならないようにと思いながら生きてきたけれど、こうしてサプライズでお祝いをしてくれるような友人はなかなかできなかった。





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