残念系お嬢様の日常
「瞳。こうなったら、正面突破よ」
「え」
「本人に聞くわ」
「でも、スミレは隠しているつもりみたいだし、素直に話すかな」
事件を解決するには、まずスミレの身に起こっていることを正確に知る必要がある。
もしかしたら、原作となにかズレがある可能性だってある。
それに、もしも原作通りのことが起こっているのであれば許し難い事件だ。
起こる前に阻止したかったけれど、起こってしまったのであれば最悪な結末を防ぐしかない。
***
昼休み、私たちは早速行動に移した。
携帯電話を片手に周囲を警戒した様子で一人でそそくさと歩いていくスミレをこっそりと瞳と尾行する。
よし、順調だ。
「……真莉亜、この作戦正面突破じゃない気がする」
「いいえ、瞳。ここからが本番なのよ」