3年経ってしまった、消せない話
「そんなことはどうでもいいや。何となく聞きたかっただけだし」


「…で?だからどうしたいんだ」


「うん。それなんだけどね」


そう言いながら小さな包みをを取り出した。あげるよ、と由生が一言。

中を開けてみると、シルバーの十字架のペンダントが出てきた。


「クリスマスだからプレゼント。流兄、そう言うの持ってないでしょ?」


「……ありがとう。何もあげられないけどさ」


「別に良いよ」


何だか嬉しくて、涙が出そうになった。でも泣けば、また熱が出そうだ。


「まだ下が騒がしいから、静かになるまで相手になるよ。ってか、ご飯食え。冷める」


そう由生が言う。

部屋で過ごすクリスマスイヴは初めてだけど、なんだか何時もより楽しかった。
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