常盤の娘
★☆★
いつまで睡蓮の花を眺めていれば、両親は満足するのかしら。
純花は東条と石橋に立って、苔色の庭池を見下ろしていた。そのところどころに、白と桃の睡蓮の花が浮いている。
あのあと東条の話に会場は色めき立った。彼は高校生のド日常の一風景を、脚色に脚色を重ねて少女漫画さながらの胸キュンエピソードに書き換えてみせた。純花はといえば、話題が自分の黒歴史に転ばないよう、全神経をちょんちょんに尖らせて相槌を打っていた。その様子を見て、世話人は「若い男女の会話が弾んでいる」と勘違い。さっきまで存在感ゼロだったくせにしゃしゃりでてきて、事前に準備してきたのであろうセリフをもって提案した。
「ここにはきれいな庭園があるんですよ。なんでも女将自ら手入れをしているそうで。庭にはそこの襖からすぐ出られますから、女将自慢の庭園をお二人でお散歩でもしていらしたらいかがですか」
いつまで睡蓮の花を眺めていれば、両親は満足するのかしら。
純花は東条と石橋に立って、苔色の庭池を見下ろしていた。そのところどころに、白と桃の睡蓮の花が浮いている。
あのあと東条の話に会場は色めき立った。彼は高校生のド日常の一風景を、脚色に脚色を重ねて少女漫画さながらの胸キュンエピソードに書き換えてみせた。純花はといえば、話題が自分の黒歴史に転ばないよう、全神経をちょんちょんに尖らせて相槌を打っていた。その様子を見て、世話人は「若い男女の会話が弾んでいる」と勘違い。さっきまで存在感ゼロだったくせにしゃしゃりでてきて、事前に準備してきたのであろうセリフをもって提案した。
「ここにはきれいな庭園があるんですよ。なんでも女将自ら手入れをしているそうで。庭にはそこの襖からすぐ出られますから、女将自慢の庭園をお二人でお散歩でもしていらしたらいかがですか」