常盤の娘
東条はふらりと席を立ち、券売機に千円札をつっこんだ。なあ。寒かったろ。
「何か食う?」
東条は純花に目もくれずに聞いた。純花もタオルを被ったまま応じる。
「えぇと、東条と同じの。いくら?後で払うわ」
「奢る」
「え、」
後ろで、純花がはたと手を止めて、こちらを見上げたのが分かった。
「だから、奢る。色々と面倒かけたから」
東条は〈味噌ラーメン〉のボタンを押し込んだ。パタリ、と札が取り出し口に落ちる。それを店主に渡せば、やっと、
「あ……ありがとう」
嘘のように素直な返事が返ってきた。いつもは俺が少しでも気をかけようものなら、条件反射かと思うほど憎まれ口が口をつくくせに。人一倍鈍感な純花がこの調子だ。家のことはもう学校中で噂になっているだろうか。
「こっちこそ。こんな時間に呼び出して悪かったな」
「何か食う?」
東条は純花に目もくれずに聞いた。純花もタオルを被ったまま応じる。
「えぇと、東条と同じの。いくら?後で払うわ」
「奢る」
「え、」
後ろで、純花がはたと手を止めて、こちらを見上げたのが分かった。
「だから、奢る。色々と面倒かけたから」
東条は〈味噌ラーメン〉のボタンを押し込んだ。パタリ、と札が取り出し口に落ちる。それを店主に渡せば、やっと、
「あ……ありがとう」
嘘のように素直な返事が返ってきた。いつもは俺が少しでも気をかけようものなら、条件反射かと思うほど憎まれ口が口をつくくせに。人一倍鈍感な純花がこの調子だ。家のことはもう学校中で噂になっているだろうか。
「こっちこそ。こんな時間に呼び出して悪かったな」