42歳 主婦 旦那様に片思い中【佳作受賞】
車を駐車場に止めて降りると、純ちゃんが助手席側に回ってきた。

「咲笑、行こ?」

そう言って、純ちゃんは私の手を取る。

しっかり指を絡めて、純ちゃんは私を見て微笑んだ。

恋人繋ぎ!?

これ、何年ぶり?

苑が生まれてからはしてないよね?

だって、必ずどちらかがベビーカーを押してるか、苑を抱っこしてたんだから。


やだ、ドキドキするけど、嬉しい〜!!

私たちは、赤レンガの趣きある倉庫街を散策する。


若いカップルに混じって、おじさんとおばさんがこんな所を手を繋いで歩くなんて、痛いと思われてないかな?

私が心配になって、純ちゃんを見上げると、純ちゃんはいつもの優しい目をして、私を見ていた。

「咲笑、どうした?」

純ちゃんは、足を止めて、心配そうに私を覗き込む。
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