42歳 主婦 旦那様に片思い中【佳作受賞】
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最近、純ちゃんが筋トレを始めた。

ジムに通えるお小遣いはあげてないから、お風呂上がりに、ひとりで腹筋や腕立て伏せをしている。

どうしたんだろう?

中年太りを気にしてるのかな?


すると最近、苑が、

「お母さんもダイエットしたら?」

と散々勧めてくる。

「お母さんは、もうこのままでいいの。」

だって、このままだって、純ちゃんは私の事、大好きって言ってくれるもん。

ダイエットしたって、失敗してリバウンドを繰り返すだけだし。

家事とパートの合間に、好きなおやつを食べて、ぐーたらしてるのが、幸せだもん。

私は、娘の言う事には、全く耳を貸さなかった。


今日もお風呂上がりに、純ちゃんは腕立て伏せをする。

「純ちゃん、がんばってるね。
どうしたの? 急に。」

私が聞くと、

「ん? 別に。なんとなく。」

と曖昧な返事が返ってきた。

「純ちゃん、苑がね、私にダイエットしろ
って言うの。
純ちゃんも、私、ダイエットした方がいいと
思う?」

ちょっと心配になって、聞いてみた。

「咲笑は、そのままでいいよ。
でも、健康が心配だから、それ以上は
増えないように気をつけて。」

純ちゃん、優しい〜!!

「分かった。
じゃあ、おやつ食べすぎないようにする!」

私は言った。

つまり、おやつはほどほどに食べると言う事(笑)

甘い物が大好きな私にとって、それを我慢してのダイエットは、ストレス以外の何物でもない。



だから、数ヶ月後、私の体重はそのままに、純ちゃんの体だけが引き締まっていった。
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