極上恋慕~エリート専務はケダモノでした

【お疲れ様。明日の夜でよければ会えるけど、万佑ちゃんの都合はどう?】
【大丈夫です。仕事終わりにミミちゃんのお店でいかがですか?】
【いいよ。時間はまた後でね】

 メッセージを送信したら、すぐにやり取りをしてくれて、環の心遣いだろう。約束をする往復でさえ、万佑はなんとなくドキドキしてしまって、ここにはいないはずの環の存在を感じるようだった。

(明日はクライアントと打ち合わせで外出予定があったはず。でも、永縞さんに会うから……)

 スケジューラーを開いて確認しつつ、ハッとする。
 この前会った時に褒められたような、かわいらしい服装で会いたいと考えてしまったのだ。

(別にデートじゃないんだから、いつも通りの格好でいいのよ、いつも通りで)

 彼は恋愛が不得手で、関係の浅い自分とは飲み仲間で恋愛話をする仲。
 それ以上はないはずだったのに、会う約束が決まっただけでドキドキする。

(……永縞さんに、会いたい)

 だけど、誰にも隠している本音は、彼に会いたいという飾り気のない想いが強くなりつつあった。

< 106 / 276 >

この作品をシェア

pagetop