極上恋慕~エリート専務はケダモノでした

「永縞さんも、今日は忙しかったんですよね? 急に予定を空けてもらってごめんなさい」
「謝らないでいいよ。俺も会いたいと思ってたんだから。それに、忙しいのは毎日のことだけど、だからって万佑ちゃんと会う時間が作れない理由にはならないよ。どうしてそう思うの?」

 元彼がそうだったからだし、一般的に仕事が忙しいと言われたら、気持ちを抑えてしまう女の子が多いはず。
 例に漏れず、自分も当てはまっているのだが、環は不思議そうに見つめてくる。


「……仕事が忙しい男性は、恋愛なんて二の次になるんじゃないかなって」
「そういう人もいるかもしれないけど、俺は違うよ。仕事で最高の結果を出すためには、充実したプライベートが不可欠だし、最近は万佑ちゃんがいてくれないと充実しない」
「わ、私!?」

 真剣なまなざしとやわらかな微笑みで見下ろされると、逸らせなくなる。
 動揺している表情も、ドキドキし続けている胸の奥も、全部を見通されているようで恥ずかしいのに。

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