極上恋慕~エリート専務はケダモノでした
「考えてくれてたの? この前のこと」
「……はい」
「よかった。全然響いてなかったらどうしようかと思ってたんだよね」
「ねぇ、この前のことってなんなのよ?」
聞き耳を立てていたミミが、それとなく会話に口を挟んできた。
「先週デートの帰りに、俺が万佑ちゃんに告白したんだ」
「ええっ!? そうなの? やだぁ、いつの間にそんな仲に進展してたのよぉ!」
「別にそういう仲になったわけじゃなくて!」
「あら、じゃあどういう関係? キスはしたの? セックスはまだよねぇ。万佑ちゃんのことだから許してくれなさそうだもの。環くんもこれから苦労するわねぇ」
「っ!! ミミちゃん! そんな話しないで!」
ミミが最も好む恋愛話とあって、彼女の目が爛々としている。
万佑は特別な関係ではないと否定しつつ焦っているのに、環は余裕たっぷりで牛もつの煮込みをつまみにビールを飲んで楽しそうだ。