極上恋慕~エリート専務はケダモノでした
「いいわねぇ、その曖昧な感じ。しかも環くんの片想いっていうところがドキドキしちゃうわぁ」
「ミミちゃん言ったでしょ? まだ私と永縞さんはなにもないんだからね」
「まだ、なのね? つまり、これからなのよね? 万佑ちゃんは難攻不落かもしれないけど、環くんならきっとうまくいくわよ。頑張って」
「ミミちゃん、私側についててくれないの?」
「なに言ってるのよ。私はふたりがくっつけばいいと思ってるんだから、どっち側でもないわよ。でも、話を聞いたからには、環くんの味方かしらね。いいじゃない、早く惚れちゃいなさい」
そうだそうだ、と言うように、隣で環が頷いている。
惚れちゃいなさいなんて言われても、逆に彼が平凡な自分のどこを気に入ってくれているのかわからず、万佑は環をじっと見つめた。