極上恋慕~エリート専務はケダモノでした
「どうしたの?」
「急に黙っちゃったので、やっぱり私がブルーメゾンの広報なんて無謀だと思われたのかと」
しゅんとする万佑に、環はゆったり微笑んでみせた。
ちょっとしたことで不安になる彼女の背中を、どうしたらもうひと押しできるだろう。
「そんなことないよ。これから精いっぱい頑張る万佑ちゃんのこと、応援してる。……ごめんね、葛城さんとはビジネス関係だから、ブルーメゾンって聞いてびっくりしただけ」
「そういえば、永縞さんがブルーメゾンに来て、社長と話すこともあるんですよね?」
「あるよ。今まで何度もお邪魔してる」
「もし社内で会ったら、お茶くらいしましょうね。そうしたら、私も仕事を頑張れる気がします!」
「……うん、そうだね」
(そんなことはできそうにないけど……。参ったなぁ、本当のことを話せたらいいのに)
環は、万佑に隠し事をする気まずさを飲みこむように、グラスに残ったワインを空けた。