極上恋慕~エリート専務はケダモノでした
「いえ、ちょうど近くで済ませてきたところです。……お隣は奥様ですか?」
「妻の伊鈴です。今は銀座の本店に時々顔を出しているんですが」
「はじめまして。立花伊鈴です。永縞様のことは、主人よりうかがっております。いつも当店をご愛顧くださりありがとうございます。清家様にも大変お世話になっております。今後ともどうぞよろしくお願いいたします」
はんなりとお辞儀をする伊鈴に、万佑も頭を下げる。
華やかな珊瑚色の羽織に七宝焼きの帯留めが印象的な着物姿は、女性の万佑でさえ見入ってしまう美しさだ。
「お邪魔してすみません。せっかくおふたりで過ごされているのに」
立花はふたりが以前もデートしていたので、特別な関係にあるのだろうと察し、伊鈴の背中にそっと手を回す。
長居は無用と、挨拶もそこそこに去るべきだと思ったのだ。