極上恋慕~エリート専務はケダモノでした

「とりあえずシャワーを浴びて、寝支度するのが賢いかな」

 いつもと変わらない夜を過ごすようで拍子抜けする。
 環はめくるめく夜の想像を消すように頭からシャワーを浴び、スウェットを着て寝室に向かった。

 ベッドに座り、眠っている万佑の寝顔を見つめる。
 横たえた時と寝姿が変わっていないので、寝返りを打つこともなく熟睡しているようだ。


「おーい……」

 このまま朝まで寝かせてしまったら、翌朝彼女は必死に謝るに違いない。なので、控えめに声をかけてみる。


「ん……永縞しゃん……」

 寝言で名前を呼ばれたのも初めてだ。

(これは、試されてるのか?)

 やわらかそうな唇に触れることさえお預けされた状況で、寝言で名前を呼ばれて悶々とせずにいられるほど、環もいい人ではない。

 隣に入れば、わずかにベッドが揺れ、ふたり分の温もりですぐに布団の中の温度が上がる。
 すぐに眠ろうと思っていたけれど、もう少しだけ彼女を見ていたくて、環は枕に頬杖をついて眺めた。

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