極上恋慕~エリート専務はケダモノでした
プリントアウトしておいた人数分の資料を、等間隔に長机に並べていく。
プロジェクターの準備も済み、あとは出席するメンバーがやってくるのを待つだけになった。
「これ、清家さんが作ったの?」
「はい。と言っても、チームで手分けしましたけど……なにか不備がありましたか?」
配布したプレゼン資料に早くも目を通している環に、不安げに問いかける。
異動後、初めてチームリーダーを任されている案件とあって、毎日必死に頑張ってきたので、周りの反応が気になるのだ。
「大丈夫、よくまとまってる。あとはきちんと説明できるように、落ち着いて話してごらん」
「はい、頑張ります!」
他でもない環に合格をもらえて、肩の力が抜けた。
前職の代理店では、クライアント相手に幾度となくプレゼンをしてきたので、人前で話すのは得意な方だ。
(落ち着いて、丁寧に。自信を持って)
出席者が続々と入室してきたのを見て、万佑は心の中で呪文のように繰り返した。