極上恋慕~エリート専務はケダモノでした

『ちょうどよかった。近々永縞さんに折り入って話したいと思っていたことがあったんです。急で申し訳ないのですが、明日何時でもいいのでお時間頂けませんか?』
「明日ですか……。でしたら、夕方以降でいかがでしょう?」
『ありがとうございます。詳細はお会いした時に。それと、明日直接立花さんに会って、週末に席を空けてもらうことができるはずですから』
「そうですか。ありがとうございます。助かります。では、また明日の夕方に」

 忙しい葛城に私用でお願いをするなんて申し訳なかったが、彼も用事があったようだ。
 おそらく今後のブルーメゾンについての相談だろう。
 それに、年が明けてからは一度も会えていないので、挨拶させてもらうにはいいタイミングだ。


「失礼します。永縞さん、今よろしいですか?」
「うん、いいよ」
「役員向けのセミナーの件ですが――」

 頃合いを見て入ってきた宮前に対応しつつ、次々送られてくるプロジェクトの進捗や確認事項などに目を光らせた。

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