極上恋慕~エリート専務はケダモノでした
――土曜、18時40分。
万佑は東京駅丸の内中央改札で、環がやって来るのを今か今かと待っていた。
恋人とデートをするわけではないのに、どうにも落ち着かなくてソワソワしてしまい、何度もスマートフォンに連絡が入っていないか確認する。
(車で来るのか、電車なのか聞いておけばよかったなぁ)
運転中だったら、連絡しても返事できないだろうと、メッセージを打つ指を止めた。
外にいると探しにくいかもしれないので、とりあえず改札の近くに立つ。
今日は、友人の誕生日に贈るプレゼントを買いに、数名の友達と集まってランチがてら銀座に繰り出していた。片手にバッグと一緒に紙袋を持ち、周囲に目を泳がせて環の姿を探す。
行き交う人は、大半がサラリーマンや友人同士、旅行客だ。
今日は特別なイベントもないはずなのに、この駅はいつでも混雑している。