極上恋慕~エリート専務はケダモノでした
「永縞さん、早速ですが」
「はい、先生」
「彼女でもなければ、その気もない女の子に、甘いことをサラッと言うのは誤解の元ですから、気を付けたほうがいいですよ?」
「ん?」
(やっぱり自覚なしなんだな、永縞さんは)
好きになった相手には振り向いてもらえず、そうじゃない子には甘い言葉で勘違いさせてしまってきたのだろう。
自分のことを差し置いて言えるような恋はしてきていないが、少なくとも気のない相手に勘違いさせるようなことはなかったと、万佑は思う。
「温めてあげるって、言ったじゃないですか」
きょとんとしている環に、万佑は真剣な顔つきで続けて話す。
「……あぁ、そういうこと? それなら万佑ちゃんの勘違いだよ」
「え?」
そっか、と反省の色を浮かべると思っていたのに、予想外の反応が返されて、今度は万佑がきょとんとしてしまった。