極上恋慕~エリート専務はケダモノでした

「ところで、万佑ちゃんはどんな人が好み?」
「いきなりですね」
「うん。今夜は万佑ちゃんのことを知りたいと思ってるんだ。だから、教えて?」

 そんなことを聞かれても、欲張りな理想が並ぶだけだ。いくら環でも、どんな反応をするか気になってしまう。


「外見だけなら、やっぱり格好いい人がいい?」

 黙り込んでしまった万佑を見かねて、環が助け船を出した。


「私が素敵だと思える人がいいです」
「へぇ……。万佑ちゃんは面食いじゃないのか」
「そういうわけじゃないと思いますけど、顔がすべてではないというか」

 なるほど、と相槌を打つ環は、万佑の好みに自分が当てはまっているか、ここぞとばかり冷静に考える。
 今まで交際してきた女性に言われてきた評価よりも、万佑にどう思われているのかが知りたいのだ。


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